大和肉鶏(奈良県産地鶏)と有精卵のぴよたま通信販売サイト
検索条件
サルモネラについて
今回は以前お話ししました、賞味期限の根拠となるサルモネラについてお話ししようと思います。
そもそもサルモネラとは自然界のあらゆるところに存在している細菌で、その種類は2,000種類以上と言われています。サルモネラは鶏にとってはほとんど無害(雛には有害です)なのですが、人間にとってはSE(SalmonellaEnteritidis)やST( Salmonella typhimurium)など数種類(特にSEが怖いです)のサルモネラが食中毒の原因として特に問題となります。
卵の賞味期限はこのサルモネラによる食中毒を防ぐことを主眼に考えられています。元来卵には様々な細菌に対抗するために濃厚卵白中にリゾチームという酵素があり、この酵素の働きにより卵の中は殺菌されています。(余談ですが。最近の市販薬で「塩化リゾチーム配合」と聞いたことありませんか?あれは卵白から抽出・精製した成分です)ところが、卵の黄身を包んでいる膜が時間の経過と共に弱くなり、あるところまで弱くなると卵黄の成分の一部が卵白に移動します。このとき殺菌しきれなかった細菌があると、卵の中で増えてしまい腐敗や食中毒の原因となります。この卵黄膜が弱くなり細菌が増え始めるまでの期間は保存温度と一定の関係があり、保存温度10℃のときの理論値は57日、20℃なら30日、30℃なら13日と温度が高くなれば期間は急激に短くなります。ここから、一般的な賞味期限は夏季で16日以内、冬季で57日以内、春秋は25日以内とされています。ただし、これは割っていない卵の話で、調理で割った卵はたとえ十分に加熱したと思ってもできるだけ早く食べて下さい。
また、卵のサルモネラ感染経路は大きく分けて2種類あります。一つは卵殻ができ上がってから殻に付着したサルモネラが卵殻を通って卵内に侵入するオン・エッグ型、もう一つは鶏の体内で卵が作られる途中の卵巣あるいは卵管で汚染されるイン・エッグ型です。ぴよたまはオン・エッグ型感染の対策として、すべての卵をお湯で洗い塩素水および殺菌灯による殺菌、消毒を行っています。また、イン・エッグ型の対策として、奈良県内では唯一(H24.4.1現在 竹内孵卵場調べ)すべての鶏にサルモネラ・ワクチンを接種しています。生産者としては食中毒を防ぐべく全力を挙げていますので、皆さんも卵は買って帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる、作ったらすぐ食べるなどの基本事項を守って食中毒に気をつけて下さい。